DJIから水中ドローンは出ている?代わりになるおすすめ5モデルを解説

ドローン

空撮ドローンの世界で圧倒的なシェアを誇るDJI。その信頼性の高さから「水中ドローンもDJI製が欲しい」と考えるのは自然な流れです。海の底や湖の中を、まるで空を飛ぶように自由な視点で撮影できたら、調査や趣味の幅が大きく広がりますよね。

しかし、結論からお伝えすると、2026年現在もDJIから自社ブランドの水中ドローンは販売されていません。水中という特殊な環境では、空中とは全く異なる技術が求められるためです。この記事では、DJI製品を探している方が納得できる、同等以上の品質を持ったおすすめモデルを厳選して紹介します。

DJIは水中ドローンを売っていない?代わりのメーカーがある理由

空の王者であるDJIですが、水中ドローン(正式にはROV:遠隔操作潜水機)の市場には直接参入していません。水中では電波がほとんど届かないため、空中ドローンのような無線操作ができず、物理的なケーブルを介した通信が必要になるなど、技術的な壁がいくつも存在するからです。

ここでは、DJIが水中製品を出さない背景を整理しつつ、その空白を埋めるように急成長を遂げた「QYSEA」や「CHASING」といった専門メーカーの立ち位置を解説します。なぜこれらのメーカーが「水中版DJI」と呼ばれるほど信頼されているのか、その理由を見ていきましょう。

現時点でDJI製の水中ドローンは販売されていない

意外に思うかもしれませんが、DJIの公式サイトや正規代理店を見ても、水中専用のドローンはラインナップにありません。過去には他社への出資や技術提供といった噂が流れたこともありましたが、あくまでDJIは「空」と「手ブレ補正技術」に注力し続けています。

例えば、DJIのカメラ技術や操作アプリの使いやすさに慣れているユーザーにとっては、他社製品への乗り換えは少し不安かもしれません。

しかし、現在の水中ドローン市場は成熟しており、DJI製品を使い慣れた人でも違和感なく操作できるモデルが数多く登場しています。

確かに、いつかDJIが水中製品を出す可能性はゼロではありません。

ですが、点検や撮影といった実務が目の前にあるなら、すでに実績のある専門メーカーの機体を選んだ方が、サポート体制も含めて安心です。

空中ドローンの技術を応用した専門メーカーが主流

水中ドローンの世界でDJIに代わる存在となっているのが、QYSEA(キューイーシー)やCHASING(チェイシング)といったメーカーです。

これらの企業は、空中ドローンの姿勢制御技術や高画質伝送のノウハウを水中へと見事に移植しました。

例えば、QYSEAの「FIFISH(ファイフィッシュ)」シリーズは、水中でも機体を自由自在に傾けられる独自のスクリュー配置を採用しています。

これは空中ドローンが空中で静止したり傾いたりする動きに非常に近く、直感的な操作が可能です。

以下に、主要な水中ドローンメーカーの特徴をまとめました。

  • QYSEA:全方位への自由な移動が得意で、水中撮影の表現力が高い。
  • CHASING:産業用としての耐久性が高く、アタッチメントの拡張性が豊富。
  • PowerVision:釣りやレジャーなど、ユニークな機能を持つモデルが多い。

これらのメーカーは、空中ドローンユーザーが求める「安定した映像」と「簡単な操作性」を熟知しています。

DJIロゴこそ付いていませんが、手に取ってみればその完成度の高さに驚くはずです。

なぜDJIは水中製品を直接出さないのか

DJIが水中ドローンを自ら作らない理由の一つに、市場規模と技術の専門性の違いがあります。

空中ドローンは電波(ワイヤレス)で数キロ先まで飛ばせますが、水中で同じことをしようとすると、電波が水に吸収されて数センチしか届きません。

この問題を解決するには、丈夫な「テザーケーブル」を介した有線通信が必要です。

さらに、水深が深くなるほどかかる「水圧」への対策や、塩分による腐食を防ぐための素材選びなど、空中とは全く別の設計思想が求められます。

確かに、DJIなら作れるはずだと期待してしまいますが、彼らは「ワイヤレスで手軽に」という体験を重視しています。

ケーブルが必須となる水中ドローンは、DJIが掲げるブランドイメージとは少し異なる領域なのかもしれません。

餅は餅屋という言葉通り、水中には水中のプロフェッショナルが確立されているのです。

水中ドローンを選ぶ前に知っておきたい基礎知識

水中ドローンを手に取る前に、空中ドローンとの決定的な違いを理解しておく必要があります。ここを疎かにすると、現場で「思っていたのと違う」というトラブルになりかねません。特に通信方法と、水中特有の物理現象については、事前にイメージを膨らませておくことが大切です。

この章では、有線操作が必須となる理由や、水圧と浮力のバランス、そして産業用とレジャー用の線引きについて詳しく解説します。

水中は「有線(ケーブル)操作」が基本になる

水中ドローンには、機体と陸上の送信機を繋ぐ「テザーケーブル」が必ず付いています。

これは、先ほどお伝えした通り水中で電波が届かないためで、映像の受信も操縦信号の送信もすべてこの1本の紐で行います。

例えば、100メートルの深さを探りたいなら、100メートル以上の重いケーブルを一緒に管理しなければなりません。

ケーブルが岩に引っかかったり、スクリューに巻き込まれたりしないよう、常に周囲の状況に気を配る必要があります。

「ワイヤレスがいい」という声もありますが、ケーブルがあるおかげで、万が一機体が動かなくなっても手で引き上げられるというメリットもあります。

水中という見えない世界で作業する以上、この紐は命綱のような役割を果たしているのです。

空中ドローンとは異なる「浮力」と「水圧」の壁

水の中では、常に機体を押し上げる「浮力」と、あらゆる方向からかかる「水圧」が働いています。

空中ドローンのようにプロペラを止めればその場に止まるわけではなく、機体の浮力バランスが悪いと、勝手に浮き上がったり沈んだりしてしまいます。

最近の高性能な水中ドローンは、センサーで自分の深さを正確に測り、自動でその場に留まる「デプスホールド機能」を備えています。

例えば、潮の流れが速い場所でも、この機能があればカメラを一点に固定してじっくり観察することが可能です。

水圧に関しても、10メートル深くなるごとに1気圧ずつ増えていくため、深い場所へ行くほど機体の密閉性が試されます。

自分が潜りたい深さに対して、十分な耐圧性能を持った機種を選ぶことが、浸水事故を防ぐための鉄則です。

産業用ROVとレジャー用モデルの違い

水中ドローンは、大きく分けて「趣味・レジャー用」と「産業用(プロ向け)」に分かれます。

見た目は似ていても、搭載されているモーターの数や、後から付けられるオプションの種類に大きな差があります。

例えば、レジャー用はカメラの美しさに特化しており、魚の群れを追いかけたり、ダイビング中の自分を撮ったりするのに向いています。

一方で産業用は、水の濁りに強い特殊なカメラを載せたり、沈没物を掴むための「ロボットアーム」を装着したりできます。

主な違いを以下のリストにまとめました。

  • 移動の自由度:産業用は上下・左右・斜め・回転など全方向に動けるものが多い。
  • 拡張性:産業用はGPS(水中で位置を知るための超音波装置)やソナーを後付けできる。
  • パワー:産業用は潮流に負けないよう、強力なスラスターを6〜8個搭載している。

確かに価格も大きく変わりますが、仕事で使うなら「現場の潮の流れに負けないパワー」があるかどうかを最優先に考えるべきです。

予算だけで選んでしまうと、いざ海に出たときに流されて何も撮れなかった、という結果になりかねません。

DJI製品並みの品質を持つおすすめ水中ドローン5選

DJIのような「洗練されたデザイン」と「圧倒的な使い勝手」を兼ね備えた水中ドローンを5つ厳選しました。それぞれ得意分野が異なりますので、自分の目的と照らし合わせてみてください。

まずは、代表的なスペックを比較した表を確認しましょう。

機種名最大潜航深度カメラ画質主な強み
FIFISH V-EVO100m4K / 60fps全方位移動・高画質
CHASING M2 Pro150m4K産業用・バッテリー交換可
PowerRay30m4K釣り・レジャー特化
Geneinno T1 Pro175m4K深海調査・アタッチメント豊富
GLADIUS MINI S100m4K持ち運びやすさ・高コスパ

QYSEA FIFISH V-EVO:4K/60fpsと全方位移動の決定版

水中での「撮影」にこだわりたいなら、このモデルが最もDJIの体験に近いと言えます。

水中ドローンとして初めて4K/60fpsの滑らかな映像撮影を実現し、さらに360度どんな角度でも静止・移動できる驚異的な機動性を持っています。

例えば、機体を真横に倒したまま移動したり、真上を見上げながら撮影したりといった、複雑なカメラワークが指一本で可能です。

これは「全周運動(全方位移動)」と呼ばれる技術で、他の多くのドローンにはできない芸当です。

AIを使った画像補正機能も優秀で、青みがかりがちな水中の色を、リアルタイムで鮮やかに復元してくれます。

映画のようなシネマティックな水中映像を撮りたいなら、間違いなくこのV-EVOが第一候補になります。

CHASING M2 Pro:プロの点検業務に耐える安定感

「仕事で使う道具」としての信頼性を求めるなら、CHASING(チェイシング)のM2 Proが最適です。

8つのスラスターを搭載したオムニダイレクト(全方位)移動が可能で、潮の流れがある現場でもピタリと静止するパワーを持っています。

この機種の最大の魅力は、バッテリーを現場で簡単に交換できる点です。

多くの水中ドローンは本体ごと充電が必要ですが、M2 Proなら予備バッテリーを用意しておくことで、一日中作業を続けることができます。

例えば、ダムの壁面調査や大規模な養殖場の点検など、長時間の稼働が求められる現場で真価を発揮します。

ロボットアームや高輝度ライト、外部ソナーなど、プロの現場で必要なアタッチメントも豊富に用意されています。

PowerVision PowerRay:釣りとレジャーに特化した独自の機能

PowerRay(パワーレイ)は、他の水中ドローンとは一線を画す「釣り」に特化した機能を持っています。

機体から魚群探知機のユニットを切り離して浮かべることができ、水中の魚の様子をリアルタイムで送信機に届けます。

面白いのは、機体に釣り糸をセットして、ターゲットの目の前で餌をリリースできる機能です。

例えば、岩場の陰に潜んでいる大物をカメラで確認しながら、ピンポイントで狙い撃ちするような、新しい釣りのスタイルが可能になります。

もちろん、4Kカメラの性能も高く、レジャー目的での水中散歩にも十分対応できます。

「仕事」というよりは「遊び」を最大限に追求したい方に、これほど面白い機体はありません。

Geneinno T1 Pro:水深150mまで潜れる本格派モデル

より深い海を、より詳細に探りたいというプロフェッショナルなニーズに応えるのがGeneinno(ジェネイノ)のT1 Proです。

標準で150メートル(最大175メートル)という深い潜航深度を誇り、未知の領域へのアプローチを可能にします。

大きな特徴は、本体の底部に様々なプロ用機材をドッキングできる「インターフェース」を備えている点です。

水質を測るセンサーや、レーザーによる距離測定器など、科学調査で使われるような精密機器を搭載できます。

例えば、水深の深い場所にある沈没船の調査や、海底ケーブルの点検など、タフな環境での作業に向いています。

動作も非常にパワフルで、業務用のROVをぎゅっとコンパクトにしたような、頼もしい一台です。

CHASING GLADIUS MINI S:持ち運びやすさと高画質を両立

「もっと手軽に水中ドローンを始めたい」という初心者の方におすすめなのが、GLADIUS MINI Sです。

機体がコンパクトで、バックパックに入れて持ち運べるほどのサイズ感ながら、4K映像や100メートルの潜航能力をしっかりと備えています。

操作性も非常にシンプルで、空中ドローンを触ったことがある人なら、ものの数分でコツを掴めるはずです。

例えば、家族での海遊びや、地元の港の様子をちょっと確認したいといった日常的な使い道にぴったりです。

価格も産業用モデルに比べれば非常にリーズナブルで、コストパフォーマンスの高さは随一です。

「まずは水中ドローンがどんなものか試してみたい」という方の入門機として、これほどバランスの良い機体はありません。

水中ドローンを比較するときにチェックするべき4つの性能

機種を絞り込む際、カタログの数字をどう読み解けばいいのか迷うこともありますよね。空中ドローンでは「飛行時間」や「解像度」が重要でしたが、水中ドローンには特有のチェックポイントがあります。

失敗しないために、必ず見ておくべき4つの性能について解説します。自分の活動フィールドを想像しながら、必要なスペックを見極めてください。

最大で何メートルの深さまで潜れるか

まず確認すべきは「最大潜航深度」です。これは機体が耐えられる水圧の限界を示しています。

レジャー用なら30〜50メートル、業務用なら100〜150メートルが一般的な目安となります。

例えば、堤防周りの魚を撮るだけなら30メートルで十分ですが、沖合での点検作業なら100メートルは欲しいところです。

注意したいのは、ケーブルの長さ(テザー長)も同じだけ必要だという点です。

機体自体は100メートル潜れるスペックでも、付属のケーブルが50メートルしかなければ、それ以上は潜れません。

自分が活動する予定の場所の「水深」をあらかじめ調べておき、少し余裕を持ったスペックを選びましょう。

暗い水中で鮮明に撮れるカメラとライトの性能

水深が深くなるほど太陽の光は届かなくなり、水の中は真っ暗になります。

そのため、カメラの明るさ(F値)や、搭載されているLEDライトの「ルーメン数」が非常に重要になります。

例えば、1500ルーメン程度のライトが2つ付いていれば、濁った水の中でも数メートル先を照らし出し、被写体を捉えることができます。

カメラについても、色の再現性を高めるための「水中専用モード」がアプリに搭載されているかを確認しましょう。

また、水の濁りがひどい現場(ダムや工事現場など)では、カメラの代わりに音波で形を見る「ソナー」が必要になることもあります。

自分がどのような「透明度」の場所で使うのかを想定して、ライトの強さを選びましょう。

潮流に負けないスラスターの数と出力

水の中には常に「流れ(潮流)」があります。

スラスター(スクリュー)の数が多ければ多いほど、機体は姿勢を安定させ、流れに逆らって進むことができます。

例えば、前後左右だけでなく、上下や斜め、回転など、自由な動きを求めるなら、スラスターが6個〜8個搭載されているモデルを選んでください。

これを「全方位移動」と呼び、潮流に流されずに一点を見つめる「ホバリング」の精度に直結します。

海や川で使う場合、流れに負けて機体が流されてしまうと、回収できなくなるリスクもあります。

静かな池で使うのか、流れのある海で使うのかによって、必要なモーターのパワーは大きく変わります。

連続で何時間動かせるかと予備バッテリーの有無

水中ドローンは空中ドローンに比べて稼働時間が長く、1〜2時間程度動かせるモデルが多いです。

しかし、潮の流れが速い場所でモーターをフル回転させると、バッテリーの減りは一気に早まります。

チェックすべきは、「バッテリーが交換式か、内蔵式か」という点です。

内蔵式の場合、一度電池が切れると数時間の充電が必要になり、その間は作業が止まってしまいます。

例えば、一日かけて広い範囲を調査するなら、CHASING M2 Proのようにバッテリーをカチッと入れ替えられるモデルが圧倒的に便利です。

「一日でどれくらいの範囲を回るか」を逆算して、連続稼働時間を確認しましょう。

実際の現場で水中ドローンはどう役立っている?

水中ドローンは、もはや一部の愛好家の道具ではありません。危険な潜水作業を代替し、インフラを守るための重要な「産業機器」として、私たちの目に見えない場所で活躍しています。

実際の現場でどのように使われ、どのような成果を上げているのか。2026年現在のリアルな活用事例を紹介します。

ダイバーの代わりに船底やダムの壁面を点検する

これまでは、大きな船の底を調べたり、ダムに亀裂がないか確認したりするには、プロのダイバーが潜るしかありませんでした。

しかし、水温が低い冬の海や、視界の悪いダム湖での潜水は命がけの作業です。

水中ドローンを使えば、人間は暖かい船の上や陸上から、モニター越しに安全に点検を行えます。

例えば、船底に付着した貝の状況を確認したり、プロペラの傷をチェックしたりする作業が、わずか数分で終わります。

ダイバーを雇うコストや安全管理の手間を考えると、ドローン導入によるメリットは計り知れません。

最近では、点検結果をそのままデジタルデータとして保存し、前回の調査結果と比較する仕組みも整っています。

養殖場の生簀(いけす)の様子を監視する

魚の養殖場では、網が破れていないか、魚が病気になっていないかを毎日確認する必要があります。

広い生簀の中をドローンで巡回することで、人の目では気づきにくい細かな異変をいち早く察知できます。

例えば、死んでしまった魚が底に溜まっていないかを確認したり、餌の食べ残しがないかを見て給餌量を調整したりします。

これにより、無駄な餌代を削り、生簀の中を清潔に保つことができます。

水中ドローンは魚を驚かせにくい静かな動きができるため、ストレスを与えずに自然な様子を観察できるのも大きな利点です。

スマート漁業の強力な味方として、導入する漁師さんが増えています。

災害時における水中の行方不明者や沈没物の捜索

地震や豪雨による水害が発生した際、水中ドローンは「捜索の目」として活躍します。

濁濁とした水の中や、倒壊した建物が沈んでいる危険な場所でも、ドローンなら躊躇なく入り込めます。

例えば、水中に沈んでしまった車両の中に人が残っていないか、サイドスキャンソナーを使って広い範囲を効率よく探します。

発見後は、ロボットアームを使って軽い遺留品を回収したり、潜水士が潜るためのガイドラインを設置したりします。

ニュースでも、大規模な水害の現場でドローンチームが派遣され、捜索活動を支援する様子が報じられています。

一刻を争う救助現場において、迅速に水中の状況を可視化できる技術は、非常に高く評価されています。

水中ドローンを安全に使い続けるための注意点

高価な水中ドローンを長持ちさせるためには、空中ドローン以上に「メンテナンス」が重要になります。水、特に海水は機械にとって非常に過酷な環境だからです。

使い終わった後のほんの少しの手間で、故障のリスクを劇的に下げることができます。ここでは、長く愛用するために守るべき3つのルールをお伝えします。

海水で使用した後の「真水洗浄」を怠らない

水中ドローンを使った後、最も大切なのは「真水での洗浄」です。

海水の塩分が残ったまま乾くと、結晶化してスラスター(プロペラ)の軸を固着させたり、端子を腐食させたりします。

例えば、バケツやタライに真水を溜め、その中でしばらくドローンを動かして内部の塩分を出し切るのが理想的です。

「水で洗ったつもり」でも、内部に塩が残っていることが故障の最大の原因になります。

面倒に感じるかもしれませんが、これを習慣にするだけで、機体の寿命は数倍に延びます。

真水洗浄が終わった後は、直射日光を避けて風通しの良い場所でしっかりと乾燥させましょう。

テザーケーブルの断線や巻き込みを防ぐコツ

水中ドローンの「命綱」であるテザーケーブルは、実はもっともトラブルが起きやすい部分でもあります。

無理に引っ張ったり、鋭い岩角にこすりつけたりすると、内部の断線や被膜の破れを招きます。

例えば、機体を回収するときはケーブルだけで引き揚げるのではなく、できるだけ機体自体を浮かせてから補助的に手繰り寄せるのがコツです。

また、ケーブルがスラスターに巻き込まれないよう、余ったケーブルは水面に浮かせておくか、サポートスタッフに管理してもらうのが安全です。

使用後はケーブルのねじれを丁寧に取りながら巻き取ることで、次回の使用時に絡まるストレスもなくなります。

機体本体と同じくらい、ケーブルも優しく扱ってあげてください。

日本国内での飛行・使用に関するルールとマナー

水中ドローンには、航空法のような全国一律の厳しい規制はまだありません。

しかし、どこでも好き勝手に潜っていいわけではなく、地域のルールやマナーを守る必要があります。

以下の場所に潜る際は、必ず事前に確認を行いましょう。

  • 港湾区域:船の出入りが激しいため、勝手な使用は非常に危険です。
  • 漁業権が設定されている場所:密漁と間違われたり、網に引っかかったりするトラブルを避けるため、地元の漁協への連絡が望ましいです。
  • 海水浴場や観光地:他人のプライバシーを侵害したり、怪我をさせたりしないよう、混雑する時間は避けましょう。

例えば、ニュースでも「水中ドローンによる密漁監視」が取り上げられるほど、水中の秩序には敏感な地域が多いです。

ルールを守り、周囲への配慮を忘れずに使うことが、水中ドローンという新しい文化を育てることに繋がります。

購入後の運用コストとメンテナンスの現実

最後に、水中ドローンを「所有する」ことで発生するお金の話をしましょう。

購入時の代金だけでなく、使い続ける中でかかる維持費を知っておくことで、無理のない運用計画が立てられます。

部品の交換や修理、そして保険など、あらかじめ予算に組み込んでおくべき項目を紹介します。

スラスターや消耗品の交換にかかる費用

水中ドローンの部品で、もっとも交換頻度が高いのがスラスター(スクリュー)です。

どんなに丁寧に洗っていても、砂を噛んだり経年劣化したりすることで、異音やパワー不足が生じることがあります。

例えば、一つのスラスターを交換するのに、数万円程度の部品代がかかります。

また、ケーブルのコネクタ部分のOリング(防水パッキン)などは、数百円〜数千円の消耗品ですが、定期的に交換しないと浸水の原因になります。

「壊れてから直す」のではなく、定期的に部品をリフレッシュする意識を持つことが、トータルの修理費を安く抑えるコツです。

故障時に国内で修理サポートが受けられるか

水中ドローンは海外メーカーが多いため、正規代理店を通じて購入することが非常に重要です。

もし並行輸入品などを買ってしまうと、故障したときに「海外の工場へ送ってください」と言われ、送料だけで数万円、期間も数ヶ月かかることがあります。

国内に認定修理センターを持つ代理店から購入すれば、日本語で相談でき、部品も国内にストックされているため迅速な対応が期待できます。

例えば、点検業務などでドローンを使っている場合、修理に1ヶ月もかかると仕事に大きな穴が開いてしまいます。

価格の安さだけで選ばず、「アフターサポートの拠点」が日本国内にあるかどうかを必ずチェックしてください。

保険への加入は水中ドローンでも必要?

水中ドローンでも、他人への賠償責任保険への加入を強くおすすめします。

例えば、操作ミスで豪華なプレジャーボートの船底を傷つけてしまったり、ダイバーと接触してしまったりした際、その賠償額は莫大なものになる可能性があります。

空中ドローン向けの保険が水中ドローンをカバーしている場合もあれば、水中専用の動産保険も用意されています。

機体自体の損害(墜落や水没による全損)をカバーする保険に入っておけば、高価な機体を失うリスクも軽減できます。

安全への投資は、プロとして活動するための最低限のマナーです。

機体を買うのと同時に、自分に合った保険プランを見つけて、安心して潜れる環境を整えましょう。

まとめ:DJIに代わる「水中の相棒」を見つけよう

2026年現在、DJI製の水中ドローンは販売されていませんが、QYSEAやCHASINGといったメーカーが、DJI製品を彷彿とさせる高い品質と操作性を提供しています。空の景色に魅了されたあなたが、次に挑むべきは「青の世界」です。

  • 水中ドローンは有線通信が基本。ケーブルの取り回しが運用の鍵になる
  • 4K/60fpsや全方位移動を求めるなら「FIFISH V-EVO」がおすすめ
  • 業務での耐久性やバッテリー交換を重視するなら「CHASING M2 Pro」が最適
  • 海水での使用後は真水洗浄を徹底し、命綱であるケーブルを大切に扱う

空中ドローンでは味わえない、一歩踏み込んだ探究心が試されるのが水中ドローンの世界です。DJIという枠を超えて、あなたの目的にぴったりの「水中の相棒」を見つけ出してください。水面に波紋を広げ、その下の未知なる景色をモニターで確認したとき、あなたの世界はこれまで以上に深く、豊かに広がっていくはずです。

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