ドローンを登録してから、もうすぐ3年が経とうとしていませんか。2022年に始まった機体登録制度ですが、実は登録したらずっとそのままというわけにはいきません。
車のナンバープレートと同じように、ドローンの登録にも有効期間があり、定期的な更新が必要です。もし更新を忘れて飛ばし続けてしまうと、厳しい罰則の対象になるだけでなく、再登録に余計な手間と費用がかかってしまいます。この記事では、更新のタイミングや具体的な費用、DIPSでの手続き方法を分かりやすく解説します。
機体登録の有効期間と更新の基本ルール
ドローンの機体登録制度を維持するためには、決められた期間内に更新の手続きを済ませる必要があります。まずは、自分のドローンの期限がいつまでなのか、いつから動けばいいのかという基本を確認しましょう。
この章では、登録の寿命ともいえる有効期間の長さや、申請を受け付けてもらえる期間、そして放置してしまった場合に起こる悲劇について詳しくお伝えします。
登録の寿命は3年で切れる
ドローンの機体登録には「3年間」という有効期間が設定されています。この期間を過ぎると、その機体に割り当てられた登録記号(JUから始まる番号)は効力を失います。
例えば、2022年6月に登録した機体であれば、2025年6月には期限が切れる計算です。これは、機体の所有者情報やリモートIDの状態を定期的に最新の状態に保つための仕組みです。有効期限はDIPS(ドローン情報基盤システム)にログインすればいつでも確認できるので、自分の機体がいつまでなのか一度チェックしておくのが賢明です。
更新申請ができるのは満了の3ヶ月前から
更新の手続きは、有効期間が切れる「3ヶ月前」からスタートできます。直前になって慌てて申請すると、システムの混雑や不備で期限に間に合わない可能性もあるため、余裕を持って動くのが理想です。
手続き自体はそれほど難しくありませんが、国からの「更新時期のお知らせ」メールが届いたら、すぐにカレンダーに予定を入れておきましょう。3ヶ月という期間があるのは、郵送でのやり取りや手数料の納付確認に時間がかかるケースを想定しているからです。早めに済ませておけば、期限ギリギリになって「明日飛ばしたいのに登録が切れている!」と焦る心配もありません。
更新を忘れると登録は完全に抹消される
もし有効期間を1日でも過ぎてしまうと、その登録は自動的に抹消されてしまいます。「少し遅れたけれど更新させてほしい」というお願いは、残念ながら通りません。
一度抹消された機体を再び飛ばすには、新規登録と同じ手順を踏み直す必要があります。この場合、更新手数料よりも高い新規登録料がかかるうえに、リモートIDの紐付けなども最初からやり直しです。さらに、登録が切れた機体で空を飛ぶことは法律で禁止されており、重い罰金刑が科せられるリスクもあります。失効させてしまうメリットは一つもありません。
更新手続きにかかる費用
機体登録の更新には手数料がかかります。ここで注意したいのは、申請の方法(オンラインか書面か)によって、支払う金額が3倍近く変わってくるという点です。
少しでもコストを抑えたい方のために、申請方法ごとの費用比較と、複数台のドローンを所有している場合の料金体系について表にまとめました。
| 申請の方法 | 本人確認の手法 | 1機あたりの費用 |
| オンライン(DIPS) | マイナンバーカード・GビズID | 890円 |
| オンライン(DIPS) | 運転免許証・パスポート等 | 1,450円 |
| 書面(郵送) | 郵送による書類提出 | 2,400円 |
オンライン申請は890円からで済む
最も安く更新できるのは、DIPSを使ってマイナンバーカードやGビズIDで本人確認を行う方法です。この場合の費用は1機につき890円と、1,000円を切る価格で済みます。
一方で、同じオンライン申請でも、運転免許証などの写真データをアップロードして本人確認を行う場合は1,450円かかります。マイナンバーカードを読み取る手間はありますが、500円以上の差が出るため、カードを持っているならぜひ活用しましょう。手続きは全てネット上で完結し、クレジットカードやネットバンキングで支払えるので非常にスムーズです。
紙の申請は2,400円と割高になる
パソコンやスマホを使わずに、書類を郵送して手続きする「書面申請」は、1機につき2,400円の手数料がかかります。オンライン申請に比べて倍以上の出費になるだけでなく、書類の作成や郵送の手間、切手代なども上乗せされます。
確かにネットでの入力が苦手という方には便利かもしれませんが、コストと時間の両面でデメリットが大きいです。特別な事情がない限りは、オンラインでの更新をおすすめします。どうしても書面で行う場合は、不備があると再送の手間もかかるため、記入漏れがないか何度も確認するようにしてください。
2台目以降を同時に更新すると安くなる
もし仕事や趣味で複数のドローンを所有しているなら、まとめて更新申請を出すのがお得です。2台目以降の手数料は、1台目よりも安く設定されています。
例えば、マイナンバーカードを使って3台同時に更新する場合、1台目は890円ですが、2台目と3台目はそれぞれさらに安い金額で処理されます。ただし、これはあくまで「同時に申請を出した場合」に限られます。1台ずつバラバラに更新すると、それぞれに満額の手数料がかかってしまうため、期限が近い機体は一括で手続きを進めるのが節約のコツです。
DIPSを使った更新申請のステップ
実際の更新手続きは、国土交通省のシステム「DIPS 2.0」を使って行います。初めて登録した時と同じサイトですが、更新用のメニューから進む必要があるため、手順を一つずつ確認していきましょう。
ここでは、迷わずに申請を完了させるための具体的な3つのステップを解説します。準備するものは、ログインIDと本人確認書類、そしてクレジットカード等です。
1. DIPSにログインして機体一覧を確認する
まずはDIPSにアクセスし、登録時に作成したアカウントでログインしてください。メニューの中から「機体登録の更新」を選択すると、現在自分が登録している機体の一覧が表示されます。
ここで、有効期限が迫っている機体にチェックを入れます。住所や電話番号などの登録情報に変更がないか、このタイミングでしっかり見直しておきましょう。引っ越しをして住所が変わっているのに古いまま更新してしまうと、後から変更届が必要になり、二度手間になってしまいます。
2. リモートIDの搭載状況を再チェックする
更新申請の過程で、リモートIDの搭載状況について回答する項目があります。3年前の登録時とは機体の状況が変わっていないか、改めて確認してください。
例えば、以前はリモートIDの搭載が免除されていた期間に登録した機体でも、現在は原則として搭載が義務付けられています。内蔵型のリモートIDを持っている機体であれば、発信テストを行って正常に動作しているか見ておきましょう。外付け型を使っている場合は、そのシリアル番号が正しく入力されているか再確認が必要です。ここを曖昧に回答すると、審査で弾かれる原因になります。
3. 手数料を納付して完了届を待つ
申請情報を送信すると、しばらくして「手数料納付のお知らせ」というメールが届きます。これを受け取っただけでは更新は終わっていません。
メールに記載されたURLから納付ページに飛び、クレジットカードやペイジーなどで手数料を支払って初めて、審査が最終段階に入ります。支払いが完了してから数日後、DIPS上のステータスが「手続完了」に変わり、新しい有効期限が反映された「機体登録完了届」がダウンロードできるようになります。これを印刷して機体と一緒に携行すれば、無事に更新完了です。
更新時に確認すべきリモートIDの注意点
機体登録の更新において、最もミスが起きやすいのがリモートIDに関連する項目です。制度開始直後に登録した方の中には、リモートIDの仕様を詳しく把握していないケースも少なくありません。
更新の審査をスムーズにパスするために、リモートIDの同期や免除規定について、注意すべきポイントを整理しました。
内蔵型リモートIDの情報を同期させる
DJIなどの大手メーカーの機体は、多くの場合リモートIDが本体に内蔵されています。更新時には、DIPSの登録情報と機体内部の情報を改めて同期(紐付け)させる作業が必要です。
これは、スマホアプリ(DJI Flyなど)を通じて行います。更新手続きを進める前に、機体のファームウェアを最新にアップデートし、リモートIDの設定画面から登録記号が正しく反映されているか確認してください。ここが一致していないと、物理的に登録記号を表示していても「正常に機能していない」とみなされる恐れがあります。
外付け型を利用している場合の注意
古い機体や自作機に外付け型のリモートID機器を取り付けている場合は、その機器のシリアル番号に変更がないか注意してください。
もし3年の間にリモートID機器を買い替えたり、別の機体から載せ替えたりした場合は、更新申請のタイミングで正しいシリアル番号に書き換える必要があります。外付け型は電源の入れ忘れや、機体への固定が甘いといったトラブルも起きやすいため、更新を機に設置状況を点検してみるのがよいでしょう。
リモートIDが免除されるケースは?
機体登録は更新が必要でも、リモートIDの搭載が免除されるケースがいくつかあります。
- 2022年6月以前の事前登録期間に登録を済ませ、一度も登録を切らしていない機体
- 十分な警備が行われている特定のエリア内での飛行
- 係留(紐でつなぐ)して飛ばす場合
ただし、事前登録による免除を受けている場合、今回の更新を忘れて登録が失効してしまうと、再登録時には免除の権利を失います。つまり、次は必ずリモートIDを搭載しなければならなくなるのです。免除機体を維持したい方にとって、更新を忘れないことは死活問題といえます。
更新手続きを忘れてしまったらどうなる?
「ついうっかり忘れていた」という言い訳が通用しないのが法律の世界です。ドローンの機体登録も、期限が切れた瞬間に法的な立場が大きく変わります。
更新を忘れてしまった際の実務的なデメリットと、知らずに飛ばしてしまった場合の恐ろしい罰則について、しっかりと把握しておきましょう。
期限を1日でも過ぎると新規登録扱いになる
機体登録の有効期限を過ぎてしまうと、その登録記号は完全に消滅します。復活させる方法はなく、一から「新規登録」を行うしかありません。
新規登録になると、手数料が更新時よりも高くなる(1,450円〜)だけでなく、これまで受けていたリモートIDの免除などの特例も全て無効になります。さらに、新しい登録記号が発行されるため、機体に貼り付けていたステッカーも全て剥がして作り直さなければなりません。たった1日の遅れが、数千円の追加出費と数時間の作業、そして数日の待機時間を生んでしまいます。
登録なしで飛行させた場合の罰則
もし登録が切れていることに気づかず(あるいは無視して)ドローンを飛ばすと、航空法違反となります。
「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」という、非常に重い罰則が定められています。警察の取り締まり対象になるだけでなく、事故を起こした際の保険が適用されないリスクも極めて高いです。登録状況は現場でリモートIDの電波を確認すればすぐにバレてしまうため、「少しくらいいいだろう」という考えは絶対に捨ててください。
届いた「更新通知メール」を見逃さないコツ
国土交通省からは、期限が近づくと登録したメールアドレスに通知が届きます。しかし、これが迷惑メールフォルダに入ってしまったり、大量の広告メールに埋もれたりして見逃す人が後を絶ちません。
対策として、DIPSに登録するメールアドレスは普段からよくチェックするものに設定し、送信元ドメイン(mlit.go.jp)を「受信許可」にしておきましょう。また、スマホのリマインダー機能を使って、登録から2年9ヶ月後の日付に「ドローン更新開始」とメモを入れておくのが最も確実な自己防衛です。
機体の状態が変わった時の対応
3年もあれば、ドローンの使い道や所有状況も変わっているはずです。更新時期は、その機体を「本当に使い続けるのか」を判断するタイミングでもあります。
もし機体をもう使わない場合や、誰かに譲る予定がある場合は、更新ではなく別の手続きが必要になります。ケース別の動き方を確認しましょう。
機体を廃棄・譲渡したなら「廃止届」を出す
「もう壊れて動かない」「既に中古ショップに売ってしまった」という機体については、更新は不要です。その代わりに「廃止届」を提出してください。
廃止届を出さずに放置していると、いつまでも国のデータベースにあなたの機体として残り続け、管理責任を問われる可能性もゼロではありません。廃止届には手数料はかかりませんので、手元にない機体や使う予定のない機体は、更新時期を待たずに整理しておきましょう。
住所や氏名が変わった時の変更届
結婚して名字が変わった、あるいは引っ越しをしたという場合は、更新申請の前に「変更届」を出すのがルールです。
DIPS上で住所変更などを行い、それが受理されてから更新手続きに進みます。更新申請の画面でも情報を書き換えることはできますが、大幅な変更がある場合は別途証明書類の提出を求められることもあります。特に法人の場合は、代表者や所在地の変更を反映し忘れることが多いので注意が必要です。
新しい機体に買い替えた場合はどうする?
「今のドローンの更新期限が来るのを機に、最新機種に買い替えよう」と考えているなら、古い機体は更新せず、新しい機体を新規登録してください。
機体登録は「機体ごと」に紐付いているため、古い機体の登録記号を新しい機体に引き継ぐことはできません。古い機体を下取りに出す場合は廃止届を出し、新しい機体は改めて新規で登録記号を取得するという流れになります。この際、新しい機体には最初から3年の有効期間が与えられます。
機体認証の有効期間との違いに注意
ドローンには「機体登録」の他にもう一つ、よく似た名前の「機体認証」という制度があります。これらを混同していると、どちらかの期限を切らしてしまうリスクがあります。
それぞれの役割と有効期間の違いを理解して、正しく管理しましょう。以下の表は、それぞれの違いを簡単にまとめたものです。
| 項目 | 機体登録(ナンバープレート) | 機体認証(車検) |
| 役割 | 誰の機体かを識別する | 機体の安全性を証明する |
| 対象 | 100g以上の全機体 | カテゴリーII/III飛行を行う機体 |
| 有効期間 | 3年間 | 1年〜3年(用途により異なる) |
| 更新費用 | 890円〜 | 数万円〜(検査内容による) |
機体登録は「ナンバープレート」の更新
ここまで解説してきた機体登録は、車でいうところの「ナンバープレート」の発行です。これはドローンを所有する全ての人(100g以上の場合)に義務付けられている最低限のルールです。
有効期間は一律で3年ですが、これはあくまで「所有者の身元と機体の紐付け」を更新するものです。機体そのものが故障していないか、安全に飛べる状態かといった性能面までを国が保証するものではありません。
機体認証は「車検」の更新
一方で「機体認証」は、車でいうところの「車検」に当たります。これは特定の難しい飛行(カテゴリーIIやIIIなど)を行う場合に必要となる、より厳格な審査です。
機体認証の有効期間は、仕事で使うか趣味で使うかによって異なり、1年〜3年で設定されます。機体登録の更新よりも手続きが複雑で費用も高額になるため、もし機体認証を受けているドローンを運用しているなら、こちらの期限もセットで管理表に記載しておく必要があります。
どちらか一方が切れても飛行はできない
重要なのは、機体登録と機体認証、どちらか一方でも期限が切れていれば、本来可能なはずの飛行ができなくなるという点です。
「機体登録は更新したから大丈夫」と思っていても、機体認証が切れていれば特定の許可承認が必要な飛行は行えません。特に業務でドローンを使用している方は、DIPSのマイページで「登録」と「認証」の両方のタブを交互に確認し、期限切れが起きていないかダブルチェックする習慣をつけましょう。
まとめ:早めの更新でストレスのない飛行を続けよう
ドローンの機体登録更新は、安全に空を楽しむために避けては通れない手続きです。最後に、大切なポイントを3つに整理しました。
- 期限: 有効期間は3年間。満了の3ヶ月前からDIPSで更新できる。
- 費用: オンライン申請(890円〜)が最も安く、紙の申請は割高。
- リスク: 1日でも過ぎると登録抹消。再登録には手間もお金もかかる。
「まだ先のこと」と思っていても、3年という月日は意外と早く過ぎ去ります。更新のお知らせメールが届いたら、その日のうちにDIPSにログインして、手続きを済ませてしまいましょう。早めに準備を済ませて、期限切れによるトラブルを防いでください。

